ブラシレス電動機のセンサレス制御
日本インバータ株式会社
近年、省エネの気運が高まり、電動機制御の分野でも従来広く使用されてきた誘導電動機からブラシレス電動機への移行が進んでいる。ブラシレス電動機はエネルギーの変換効率が良く、誘導電動機と同等の堅牢さと構造の簡単さを持っている。それにも関わらず誘導電動機よりも普及が遅れたのは、この電動機を効率よく運転するためには回転子の位置を何らかの方法で検出する必要があったからである。通常、この検出には交流サーボのような高級機種ではエンコーダが用いられ、低価格機種ではホール素子が用いられる。 しかし、エンコーダは高価な上に高速回転に耐えるものができない、また、ホール素子は高温に弱いという難点がそれぞれある。また両者とも電気的雑音に弱く、電動機と制御装置との配線距離を長くできないという欠点もある。
 当然、回転子の位置検出装置を用いずにブラシレス電動機を効率よく運転する方法の研究が各大学や電機メーカーで始められ、ブラシレス電動機のセンサレス制御として、挙って論文が発表されている。
 同社では試行錯誤の末に、これらの難点を克服したブラシレス電動機のサンサレス制御を開発した。特長は、始動時間が負荷の慣性が比較的小さいものでは0・2秒以内と非常に速く、交流サーボモータなど高級機種に使用される電流マイナーループを制御を有しているので信頼性が高い点。その他、定格負荷がかかった状態で始動できる、瞬間に逆回転させることができる。電動機の力率を電気信号で可変することができる・・・・などがあげられる。
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